『蜂蜜』
ベルリン国際映画祭で金熊賞を受けたトルコ映画
「蜂蜜(原題:Bal)」 を駆け込みで観てきました。
トルコの映画界を代表する、セミフ・カプランオール監督のユスフ三部作の第3部として
主人公ユスフの壮年期を描いた「卵(原題:Yumurta)」(2007)、
青年期を描いた「ミルク(原題:Sut)」(2008)に続く、幼年期の「蜂蜜」(2010)。
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しっとりと濡れた森と、静かな生活が印象的。
そういや音楽もなかったんだ、と後から気づきました。
少年・ユスフと、養蜂家の父のやりとりが、とってもいい感じ。
吃音の彼も、父とのささやくような会話ではつっかえたりしない。
なんだかおとぎ話をしているような2人。
父が遠い崖へ蜂を探しに行かざるをえなくなる、
森の蜂たちが忽然と姿を消してしまう、という出来事は
世界のあちこちで起こっていることで
原因もはっきりしないところが、本当にもどかしくて、悲しい。
蜂を探しに行ったきり帰ってこない父を待ち続けて、
寂しさを抱きながらも、残された母を守ろうとする、健気なユスフの姿。
苦手なミルクを飲み干す表情が、切ない。
どこぞのバラエティーで見た、
泣こうと思ったら泣ける、なんてなことをいう日本のあさましい子役より、
自然な感じの(だけど、ちょっとした表情なんかが、イイ)
ユスフ役の、ボラ・アルタシュくん、良かったなぁ。
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監督インタビューでは、このユスフ3部作は
主人公の成長(年代別の様相)を、年を重ねるという方向ではなく
内面に向かう順序で作ったとのこと。
名演小劇場では、「蜂蜜」「ミルク」「卵」と一気に上演していたので
まとめて観てみたかったのですが、
台風接近で次女が学校から帰ってくることになって、「蜜蜂」だけで泣く泣く帰宅。
明日からは夏休みだから、もう観に行けないなぁ 。。。