『蜂蜜』 | 灯りをともそ★ろうそく屋日記

『蜂蜜』


ベルリン国際映画祭で金熊賞を受けたトルコ映画

「蜂蜜(原題:Bal)」 を駆け込みで観てきました。




灯りをともそ★ろうそく屋日記-蜜蜂




トルコの映画界を代表する、セミフ・カプランオール監督のユスフ三部作の第3部として

主人公ユスフの壮年期を描いた「卵(原題:Yumurta)」(2007)、

青年期を描いた「ミルク(原題:Sut)」(2008)に続く、幼年期の「蜂蜜」(2010)。




          * * * * * * *




しっとりと濡れた森と、静かな生活が印象的。

そういや音楽もなかったんだ、と後から気づきました。


少年・ユスフと、養蜂家の父のやりとりが、とってもいい感じ。

吃音の彼も、父とのささやくような会話ではつっかえたりしない。

なんだかおとぎ話をしているような2人。


父が遠い崖へ蜂を探しに行かざるをえなくなる、

森の蜂たちが忽然と姿を消してしまう、という出来事は

世界のあちこちで起こっていることで

原因もはっきりしないところが、本当にもどかしくて、悲しい。


蜂を探しに行ったきり帰ってこない父を待ち続けて、

寂しさを抱きながらも、残された母を守ろうとする、健気なユスフの姿。

苦手なミルクを飲み干す表情が、切ない。



どこぞのバラエティーで見た、

泣こうと思ったら泣ける、なんてなことをいう日本のあさましい子役より、

自然な感じの(だけど、ちょっとした表情なんかが、イイ)

ユスフ役の、ボラ・アルタシュくん、良かったなぁ。



          * * * * * * *





監督インタビューでは、このユスフ3部作は

主人公の成長(年代別の様相)を、年を重ねるという方向ではなく

内面に向かう順序で作ったとのこと。



名演小劇場では、「蜂蜜」「ミルク」「卵」と一気に上演していたので

まとめて観てみたかったのですが、

台風接近で次女が学校から帰ってくることになって、「蜜蜂」だけで泣く泣く帰宅。



明日からは夏休みだから、もう観に行けないなぁ 。。。 しょぼん