『チョコレートドーナツ』 | 灯りをともそ★ろうそく屋日記

『チョコレートドーナツ』

ずっと気になってた「チョコレートドーナツ」をやっと観た。


チョコレートドーナツ


同性愛に対して、差別と偏見が強く根付いていた
1970年代のアメリカでの実話がベースに。

ショウダンサーのルディと、検事のポール。
彼らはゲイバーで出会って、あっという間に恋に落ちた、ゲイのカップル。
ルディの隣人の息子、ダウン症の少年マルコと出会った二人は
彼の母親が麻薬依存症で逮捕されたのをきっかけに、
彼を保護し、息子のように育ててゆこうとするが…。



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3人で初めて食事をするシーンが好き。
チョコレートドーナツが好きだというマルコに、それをすすめるポール。
「夕飯にチョコレートドーナツなんて…。」と
顔をしかめるルディはもうすでにママの顔で、
「たまにならいいよね?」と微笑むポールは、おおらかなパパそのもの。
「ありがとう。」と、はにかんで笑うマルコも可愛くて。

このシーンからついたのだろうけれど
珍しく原題(『Any Day Now』)よりいいかも?と思える邦題 にひひ

ルディ役のアラン・カミングの演技と歌が素晴らしい。
ラスト、さまざまな思いを胸に歌いあげる姿は、もう圧巻です。
どうしようもないことへの怒り、悲しみとともに
それでも生きていくっていう強い意志と。

やるせない結末とは別に、ほの暖かいものが心に残る
人間愛の底力、のようなものを感じられる、良い映画でした。